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川岸富士男の世界


作家在廊日:7,8,9日
 
NHK朝ドラ「らんまん」牧野富太郎氏こそ 川岸富士男少年の原点である。
牧野富太郎があれほど小さな植物の花や茎、葉や根まで愛おしく描いたように、
小さな花の生命力と可愛さを見事に細い線で描き上げている川岸氏の花の絵を見て欲しい。
川岸富士男氏との付き合いは、1989年、文化出版局季刊「銀花」の78号で氏の作品が 特集された時に始まる。
1987年「上方銀花」創業から2年後の事である。
川岸氏は作品の持つ繊細さとはうらはらに、実は潔い決断力の持ち主である。
氏は植物図鑑の面白さをいち早く見出した。
研ぎ澄まされた氏の作品を前にすると清らかな空気が動かない。
焦らず悠々と待つことを楽しみながら 独自の筆は休む事を知らない。
氏の描く野の花はしなやかで美しい。
そして凛とした強さが垣間見えた時、 静かな感動を与えてくれるのである。
美しい日本の四季に咲く花々を探しにお出かけくださいませ。
 
神立順子
 
■川岸富士男 (かわぎしふじお)
1952年、群馬県生まれ。 1974年、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。
1977年、会社に勤務しながら手描き本「翠花」の制作を開始。
1989年、季刊「銀花」第78号(文化出版局)に「翠花」10冊が紹介され、初個展。
1991年、季刊「銀花」第88号に「椿絵八十八種」特集が掲載され、2度目の個展。
2003年、日本橋三越「安達瞳子の世界の名花・椿物語展」に出展。
2015年、酒田市美術館にて「川岸富士男の世界展」開催。
2009〜2014年まで、季刊「SORA」(ウェザーニュース刊)に巻頭画帖(画・文)を連載。
著作に「植物画プロの裏ワザ」(講談社2003年)、「絵てがみ版 植物画プロの裏ワザ」(講談社2006年)、「翠花庵の草花あそび」(青幻舎2018年)がある。
 

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