浦野 理一・範雄(うらの りいち・のりお)

Riichi-Norio Urano


「浦野理一のきもの」

半世紀前、日本がモノクロで溢れていた頃、雑誌「ミセス」創刊より登場した
「浦野理一のきもの」往年の女優達が艶やかに内に秘めたる人柄さえも垣間見れる「浦野理一のきもの」には、今までにはない衝撃を感じたものでした。
北鎌倉の庵のような理一氏のアトリエ兼住まいには、膨大な文献と文様集、色帳が残され二代目・範雄氏にしっかりと受け継がれました。
関西にて、初めて「浦野理一のきもの」の個展が実現したのが上方「銀花」。ミセスの誌面でしか見る事の出来なかった作品が並んだ荘厳さに息をのんだ事を今でも覚えています。
小津安二郎監督の映画には、隅々に至るまでの美意識が国内外で大きな評価を得ていますが、その小津作品に無くてはならないものが「浦野理一のきもの」だったのです。

浦野理一と小津監督の交流は深く、お互いの仕事をリスペクトしていたのだと想像できます。そんな歴史を刻み、一世を風靡した浦野理一の作品に携われた事、これは大きな誇りで上方銀花の財産です。そして、2009年 上方銀花24周年特別企画での「浦野理一・範雄 染織展」を最後に、惜しまれながら幕は降ろされましたが、私たちの想い出の中で決して色褪せることなく息づいていると確信します。

先日、浦野範雄氏が上方銀花30周年に向けて「浦野の作品を愛し、着て下さる人達に僕からありがとうって伝えて下さいね」とメッセージを頂きました。

「こちらこそ、浦野理一・範雄の作品に巡り会えて幸せでした。ありがとう」です。

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